「アワーミュージック」

私たちは、それぞれの場所で“私たちの音楽”を奏でる。

ジャン・リュック・ゴダールの「アワーミュージック」は、
まさにゴダール新時代の幕開けを告げる映画であり、
この世界を再構築すべきだと考える人々が集うイコンである。

作品は3つのパートで構成されている。

第1部「地獄編」は夥しい戦争映像のモンタージュによる約10分間だ。
キューブリックの「時計じかけのオレンジ」の“更正”を想起させる。

世界は人を殺すことによって創られてきた。

それはフィクションであろうがノンフィクションであろうが、
人間の原初の欲求としてゴダールは観客にその事実を叩き付ける。

第2部「煉獄(浄罪界)編」はゴダールがこだわり続けるサラエボを舞台に、
「本の出会い」というイベントに招かれた映画監督ゴダール(ゴダール自身)と、
その講義を聞きに来た女子学生オルガとの魂の交感を描く。

弾痕と廃墟に彩られたサラエボを、
路面電車の滑走と巡る殉教の旅だ。

そして第3部「天国編」は死に至ったオルガが、
アメリカ兵に守られた小川のせせらぎを歩く彼岸の風景である。

オルガがゴダールに託したDVDには何が記録されていたのか。
それは最後まで観客には明らかにされることはない。

見えないものを映画によって見ようとする欲求で、
本質が見えない混沌とした21世紀をゴダールは糾弾するのである。





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by tsunagunpo | 2009-02-28 23:32 | こまいズム