JOE HISAISHI MEETS KITANO FILMS

ふと家人が寝静まってから、聴くCDがある。

JOE HISAISHI MEETS KITANO FILMS
久石譲の北野武監督作品へ提供された楽曲を集めたものだ。

久石譲は宮崎駿とのコラボレートでも有名だが、
楽曲の完成度では北野作品が格段に上だと思う。
澤井信一郎の『Wの悲劇』も忘れ難い。

久石のピアノはセンチメンタルだ。
テクニック云々ではなくこころの襞に染み入る。

久石譲が初めて北野武と組んだのは、
『あの夏、いちばん静かな海』
「ほんとうは音楽も何もないサイレントでやりたかった」と、
監督のコメントをどこかで読んだ覚えがある。

収録されたメインテーマを聴くと、
主人公ふたりが堤防沿いにひたすら浜辺をめざす道行きを
横移動のキャメラで捕らえた運動が喚起される。

楽曲としてもちろん素晴らしいのだが、
聴けば映画のワンシーンがすぐさま浮かぶ。
そして画面の肌触りが五感を揺らす。

北野映画の持ち味は肌触りだ。
映画的記憶が充満している今、
誰にも撮り得ない映画を生み出している北野武は、
肌触りを観客に共有させるかのようにフィルムを紡ぐ。

もちろんスクリーンに投影されるのは、
表層に化学処理された媒体へ光をあてた結果なのだが、
それだけでない“切れば血が出る”ような息吹が北野映画にはある。

久石譲の音楽は画面と共に輝きだす。
追体験するにはこのCDは夜に聴かれる存在だ。

それは闇を照らす明滅が映画の原初である事と無関係ではない。



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by tsunagunpo | 2009-07-11 21:44 | こまいズム