「ブレードランナーの未来世紀」

甘美な時代の記憶が甦る。

町山智浩の評論集「ブレードランナーの未来世紀」は、
80年代に狂い咲いた映画作家たちの真実を綴った力作である。

80年代のアメリカ映画は「ロッキー」の成功で幕を上げた。
努力して光を掴むアメリカンヒーローの誕生に、
映画産業は家族向けの娯楽大作を送り出していく。

コングロマリットの傘下に収められ、
経営的に安定し始めたハリウッドは映画作家を追い出し始めたのだ。

保守的で脳天気なハリウッドを尻目に、
異様な映画をインデペンデント製作で作り始めた監督たち。

それが本書の主人公たちである、
「ビデオドローム」のデヴィッド・クローネンバーグであり、
ターミネーター」のジェームス・キャメロンであり、
「プラトーン」のオリヴァー・ストーンらである。

町山は彼等の発言を丁寧に紐解きながら、
異形の作品群の成り立ちを読み解いていく。

結局は、彼等の創る映画は、
自分自身を語っているという結論に至る。

それは映画監督たちが苛まれた悪夢をスクリーンに再現する作業だ。

80年代の何がこんな悪夢を見させたのか。

20年が経つ今も、我々はその悪夢から覚めないでいる。



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by tsunagunpo | 2009-07-18 23:44 | こまいズム