鬼太郎に託されたもの

それはまだ終わらない戦後の物語。

復刻された水木しげるの貸本版「墓場鬼太郎」を読む。

時は昭和30年代。

終戦から10年が経ち高度経済成長が急加速で進む中、富む者は富んだが、
社会の底辺では泥まみれになりながらも日々を暮らす人々に溢れていた。

ある病院で入院患者が幽霊になった。

この原因究明を託されたのが会社員の水木だ。
調べていくと“幽霊族最後の生き残り”と称する夫婦に行き着いた。

しかもその幽霊族は死に瀕しながらも妊娠しているという。

会社に真相を報告するべきか。
そっとしておいてほしいと懇願する幽霊族を守るべきか。

迷う水木に「病院にいた幽霊が死んだ」との連絡が入る。

果たして幽霊族とはどんな存在なのか。

泣き声に牽かれて水木が目にしたのは、
死んだ母親の墓場から這い出してきた、
赤ん坊=鬼太郎の怪異な姿だった。

包帯にぐるぐる巻きになった鬼太郎の父=最後の幽霊族は、
ハンセン病患者や原作者水木自身がそうであるように、
戦後街角に溢れた傷痍軍人などのメタファーだ。

幽霊族には日本先住民のイメージが刷込まれ、
高度成長期に踊る現日本人は徹底した悪人として描かれる。

水木しげるが託したものがどれほど今の我々に伝わるのだろうか。



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by tsunagunpo | 2009-09-06 20:36 | こまいズム