「花とアリス」

心は、ときどき、立ち止まる。

岩井俊二の「花とアリス」を再見する。

ストーリーは驚くほどありふれている。

しかしそれはそれでいいのだ。

この映画は岩井俊二の感性を追体験する試みであるからだ。

幼なじみの中学生、ハナとアリス。

ハナは自由奔放なアリスにいつも振り回されている。
ハナの初恋もアリスの突然の一目惚れ宣言に付き合ううちにやってきた。

嫌がるハナを連れて、一目惚れした高校生を尾行しようとするアリスは
その彼と一緒に通学している高校生・宮本をハナに薦める。

そんなアリスに振り回されていく中、
いつの間にかハナの心は変化し始めるのだった。

桜の花びらが舞い落ちる季節、
そろってふたりは手塚高校に進学する。

ハナは憧れの先輩・宮本が所属する落語研究会に入部して、
密かに仲良くなるチャンスを狙っていた。

そんなある日、意外なかたちでチャンスが舞い降りる。

宮本に名前も知られていなかったハナだったが、
一途な想いでついてしまった嘘をキッカケに、
2人の距離はいっきに縮まるのだった。

主演ふたりのもつ自然なきらめきをとらえる岩井の感覚が素晴らしい。

まだ幼さが残る鈴木杏と蒼井優の、
思春期特有のどこかに傷をもつキャラクター。

柔らかな光のなかでふたりを捉え、
まるで彼女たち自身が見る夢のような風景の中でストーリーを追う。

そして少女特有の残酷さも岩井俊二は見逃さない。

繊細でリアルなダイアローグは、
ひとつの詩編となり、また音楽となり映像に喚起されていく。





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by tsunagunpo | 2009-09-10 22:08 | こまいズム