アメリカの悪夢

あの9.11から8年が過ぎた。

町山智浩のエッセイ集である、
「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢」は、
現代アメリカの病巣とポップカルチャーを中心に、
日本のメディアが伝えない現実をあぶり出す。

アメコミについての本ではない。
アメリカの文化や事件に関するコラム102本が集められた。

町山が語るのは映画のバックボーンとしての風俗であり、
文化背景がいかに今のアメリカ人を形成しているのかということだ。

タイトルにもなっているキャプテン・アメリカは、
1941年、アメリカが第二次大戦に参戦した際に、
戦意高揚マンガとして産み出されたキャラクターだ。

赤青白の星条旗のコスチュームを着たヒーローは、
ナチスや日本軍を蹴散らした。

大戦後、キャプテンは新たな敵、共産主義に立ち向かったが、
すぐにシリーズは休刊してしまう。

復刊後のキャプテンは受難の時代を迎える。

ケネディ暗殺とベトナム戦争の時代に、キャプテンのように、
無邪気なアメリカの正義を信じる者はいなくなったのだ。

そして政府はスーパーヒーローを全て管理下におく、
「超人登録法」を可決し、キャプテンは対立する。

反政府活動家として逮捕されたキャプテンは、
裁判所の石段で何物かに狙撃され死んでしまう。

「超人登録法」は、明らかにテロ取り締まりのため、
政府による盗聴や拘束を合法化する「愛国法」のメタファーだ。

この展開は老いてなお孤高なる戦いを続けるバットマンの姿を描いた、
フランク・ミラーの傑作「ダーク・ナイト」にも通じる。

愛国法が全米一の愛国者を抹殺したのである。

ほんとうのアメリカの正義とは何なのだろうか。



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by tsunagunpo | 2009-09-12 18:10 | こまいズム