宮崎あおいの「害虫」


心の視点が定まらない少女の反抗は、
軽やかに加速する。

塩田明彦の「害虫」は、
思春期の少女のこころの混乱を描いた、
痛ましくも美しい物語である。

北サチ子は、母親稔子の自殺未遂、
小学時代の担任、緒方との恋愛などが影響してか、
同級生とは違った雰囲気を持つ中学一年生の少女。

自分に関する噂話が飛び交う、
気詰まりな学校をドロップアウトして、
街で気ままに毎日を過ごすことにしたサチ子。

ある日、万引きで小銭を稼いで生活する少年タカオと、
精神薄弱の中年男と知り合う。

彼らと小さな悪事を楽しみ、笑顔を取り戻す一方で、
変わってゆく自分に対する混乱した気持ちを、
教師を辞め遠方の原子力発電所で働く緒方への手紙に託す。

誰も頼りにできない、戦場のような家庭や学校。
哀しすぎて泣くことすらできない。

成長する過程で誰もが経験する、子どもでもなく大人でもない、
もどかしくも漠然とした不安感と痛み。

中学一年生のサチ子に突きつけられる現実は残酷だ。

だが、その少女はそんな現実さえ、
軽やかに飛び越えてしまうだろう。

決してしあわせになれそうにない人生さえ、
少女は自らの足で歩み出すことを選ぶのだ。



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by tsunagunpo | 2009-10-04 09:40 | こまいズム