「運命の日」

神よ。我が町を救いたまえ。

デニス・ルへインの「運命の日」は、
禁酒法の前夜を舞台にした堂々たる叙事詩である。

第一次大戦末期の1918年。

ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、
共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動していた。

そして組合活動が活発になる一方で、テロも頻発する。

有能な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリンは、
インフルエンザが猛威をふるう中、特別な任務を受ける。

それは市警の組合の母体となる組織や、
急進派グループに潜入して、その動きを探ることだった。

やがて「運命の日」が訪れる。

1400名の警官がストを決行し、ボストンは無法地帯と化す。

熱き志を持つエリート警官のダニーに絡むのが、
オクラホマでギャングを殺害し、逃亡してきた黒人青年ルーサーだ。

時代に翻弄される2人の主人公に、
大リーグの英雄ベーブ・ルースの人生が、
実に巧妙に重ね合わされてゆく。

そしてこれは家族の再生の物語であり、
父と子の和解の物語でもある。

セピア色の写真でしかうかがい知ることのできない、あの時代で、
そんな人間たちの哀しさや儚さをデニス・ルへインは描き出すのだ。


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by tsunagunpo | 2009-10-18 20:27 | こまいズム