座頭市 関所破り

仕込み杖は血に濡れて、
御用提灯真ッ二つ。

安田公義の「座頭市 関所破り」は、
勝新太郎主演の人気シリーズの第9作だ。

正月の初詣客でごったがえす師走の榛名山麓の宿場町。

旅籠で相部屋となった娘・お咲は、悪事を働き、
私腹を肥やす代官の行状を奉行所に訴えるため、
出かけたまま行方知らずになっている父親を、
探す旅に出ているのだと市に打ち明ける。

関所に捕らわれたお咲を助けるために、市は関所に乗り込む。

苦汁にみちた複雑な人間関係が描かれていても、
そのなかに一人、純粋な人物が立ち現れる。

座頭市シリーズのドラマツルギーは、
いつも基本的に一緒なのだが、それがまた泣ける。

お咲を演じる高田美和が健気で美しく、
市は父親の面影を感じるが、最後に酒代欲しさで、
市を裏切る小悪党のアル中老人・儀十が悲しい。

全てをお天道さまが見ていなさる。

関所を破った市が、
妙義山から上がるお天道さまの光に身を晒す。

観客は市がお咲の元には戻らずに草鞋を履くことを、
自然にその立ち振る舞いに理解してしまうのだ。



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by tsunagunpo | 2009-12-08 15:29 | こまいズム