あなたになら言える秘密のこと

嘘をつくのが下手だな、君は。

イザベル・コイシェの「あなたになら言える秘密のこと」は、
サラ・ポーリー主演の一人の女性の痛みと再生の物語だ。

あらゆる感情を封印したかのように誰にも打ち解けず、
黙々と工場で働くハンナ。

その真面目過ぎる働きぶりを上司にとがめられ強制的に取らされた休暇中、
ひょんなことから油田掘削所の事故で大怪我をした男の看護を買って出る。

向かった先は海に浮かぶ油田。

そこには陽気で腕のいい料理人をはじめ風変わりな男たちが働いていた。

頑なに自分の過去を語ろうとしないハンナ。

丁寧に作られた作品である。

イザベル・コイシェが描きたかったのは、
ボスニア内戦中の民族浄化という狂気によって、
心身ともに消えない傷を負った女性の存在だ。

だがどんな傷、過去を持っていても、
人生には生きることの喜びはある。

サラ・ポーリー演じる主人公の透明な瞳は、
そんな営みを静謐に見つめるのである。



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by tsunagunpo | 2009-12-13 00:43 | こまいズム