送ること
夢がない、希望がない。
今年ほど、この言葉をたくさん聞いた年はない。
しかしほんとうに、人は夢も希望もないのか。
それは何かが少しだけ足りないような気がする。
僕らが子どもの頃、21世紀は流線型のビルが建ち並び、
宇宙旅行は日常となり、タイヤのないクルマがチューブ中を、
浮かびながら自動運転する、そんな世界を夢見ていた。
しかし、21世紀は10年経っても、戦争もテロもなくならず、
人々は嘆くことだけが自分に許された自由だと感じている。
自分がやるべきこと、為すべきことを、ミッションと呼ぶ。
僕はこの言葉が好きだ。
ミッションの語源はラテン語で「送る」などを意味する mittere。
これを語源とする語には、ミサイル(missile)、メッセージ(message)など、
「送る」という意味が必ず内包されているのだ。
到達すべき目標があり、
目標に進んでいく行動がある。
そして、それが何かに求められること。
夢も希望も語れない人は、
何かに求められることが足りないのではないか。
人は生きている限り、何かを求められる。
それに気付くか、気付かないふりをすることは悲しく、
そして嘆いていても始まらないことなのだ。
00=ダブルオーの10年が終わり、
新しい10年が始まる。
僕らが送ることは何か。
それは意識的にも無意識的にも、
誰かが何かをそれに求めてくれることで、
自然と垣間見えることなのだろう。
2009年、お世話になりました。
そして、2010年もよろしくお願いします。
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by tsunagunpo | 2009-12-31 16:24 | こまいズム