子猫をお願い

二十歳の春。何だってできる。
どこにだって行けると思っていた。

チョン・ジェウンの「子猫をお願い」は、
20歳を迎えた多感な女友達が奏でる青春群像ドラマだ。

夢想家のテヒ、美貌の野心家ヘジュ、アウトサイダーのジヨン、
陽気な双子ピリュとオンジョは高校時代からの仲良し5人組。

だが、証券会社で働くようになったヘジュと、
無職のジヨンは互いに反発しあうようになる。

仲間の絆を守ろうとするテヒは、
家庭では父の無理解に不満を募らせていた。

これが長編デビュー作となる、
女性監督チョン・ジェウンの眼差しが瑞々しい。

高校の制服が消えた瞬間から友達はもはや対等ではない。

繁栄を象徴する高層ビルで働くヘジュは、優越感を露にし、
再開発から取り残されたバラックに祖父母と暮らすジヨンは、
仲間から借金するほど生活に窮している。

このドラマには、繁栄する社会の明暗があるが、
彼女たちの立場は見た目ほど単純ではない。

前向きに見えるヘジュが、
実は学歴で自分を見限っているのに対して、
逆にジヨンは決して自分を捨ててはいないのだ。

最後にスクリーンに拡がり出す“good bye”の二文字は、
彼女たちの過去と、救いのない未来への訣別なのである。



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by tsunagunpo | 2010-01-31 19:37 | こまいズム