「天才 勝新太郎」

神が天井から降りてくる。

春日太一の「天才 勝新太郎」は、
プロデューサーとしての勝を追ったルポルタージュだ。

「座頭市」と破天荒な伝説で語り継がれる天才・勝新太郎。

映画製作者としての勝と、
その凄まじい現場をスタッフの証言を著者は丁寧に追う。

そして浮かび上がるのは勝新太郎の繊細すぎる実像だ。

勝は純粋さゆえに、狂気を加速させていく。

屈辱の映画デビューからライバル・市川雷蔵への想い。
そして自らのプロダクションの成功と蹉跌。

勝はただの主役スターではなく、
製作、監督、脚本、編集と、多岐にわたる活躍を見せたが、
誰も彼のほんとうの姿を捕らえていなかったのである。

スタッフは勝新太郎との祭りを楽しんだ。

そして勝新太郎はもう、どこにもいない。
新しい作品にも、現場にも、触れることはできない。

「祭り」は終わったのだ。

そう思うと、読後なんとも言えない寂しい気持ちになる労作である。

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by tsunagunpo | 2010-02-16 20:22 | こまいズム