母なる証明

この子を守るのは私しかいない。

ポン・ジュノの「母なる証明」は、
殺人容疑の息子を救おうとする母を描く、
ヒューマン・ミステリーである。

漢方薬店で働きながら、
一人息子のトジュンを育て上げた母がいる。

二人は貧しいながらも、
母ひとり子ひとりで懸命に生きてきた。

息子は、内気だが朗らかな
“小鹿のような目をした”純粋な青年だ。

ある日、
二人が住む静かな町で凄惨な殺人事件が起きる。

一人の女子高生が無残な姿で発見され、
事件の第一容疑者として、トジュンの身柄が拘束される。

彼の無実を証明するものは何もない中、
事件の解決を急ぐ警察は形ばかりの捜査を行い、
トジュンの逮捕に踏み切ろうと画策する。

様々な人物が足をぬぐう場面が何度も繰り返される。

血をぬぐい、泥をぬぐい、小便をぬぐう。

ぬぐってもぬぐっても足にまとわりついてくるのは、
閉鎖的な社会通念と陶酔的な母の激情である。

それは「血」の中に潜む狂気であり、
韓国社会の発展を阻む家族主義であるのかもしれない。



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by tsunagunpo | 2010-02-21 15:47 | こまいズム