「ハート・ロッカー」

War is drug

キャスリン・ビグローの「ハート・ロッカー」は、
本年度のアカデミー賞主要6部門を受賞した戦場サスペンスだ。

2004年、イラク・バグダッド郊外。

アメリカ軍の危険物処理班は、
仕掛けられた爆弾の解体、爆破の作業を進めていた。

だが、準備が完了し、彼らが退避しようとしたそのとき、
突如爆弾が爆発した。

罠にかかり殉職した班長に代わり、
また新たな“命知らず”が送り込まれてきた。

地獄の炎天下、
処理班と姿なき爆弾との壮絶な死闘が始まる。

戦争は、ドラッグのように兵士を魅了し、
精神を蝕んでいく異世界だ。

主人公は大志の為に爆弾処理を行っているわけではない。

限界を超える緊張がもたらす恍惚と、
どんな小さなミスも許されない究極のミッション。

彼にとっては、それらを併せ持つ戦場だけが生を実感できる場所だ。

誰からも歓迎されない土地で爆発物を処理する彼らの所業に、
いったい何のための戦争なのかという疑問と虚無感が、
観客には爆風で舞い上がる砂塵のように広がっていくのだ。



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by tsunagunpo | 2010-03-27 11:20 | こまいズム