カポーティ

耳を澄ますことでしか見えてこないもの。

ベネット・ミラーの「カポーティ」は、
作家トルーマン・カポーティの内面を見つめた、
魂の救済と贖罪のドラマである。

農家の一家4人が惨殺された事件に目をつけたカポーティは、
この事件を題材に雑誌の記事を書くことを思いつく。

ニューヨーカーの編集者である、
ウィリアム・ショーンに話を持ちかけたカポーティは、
事件のあったカンザス州に向かうことを決心する。

映画はカポーティが『冷血』を書いた6年間の彼を追う。

犯人の青年の孤独を理解し、友情を育みながらも、
作品を完成させるには、事件の詳細を聞きださねばならない。

さらに死刑が執行されねば話が完結しないというジレンマに陥っていく。

書くために他人を騙すことも辞さない作家の欲望は、
本当の“冷血”とは何かとのダブル・ミーニングだ。

そして死刑執行の日。

ベッドに引き篭もるカポーティに電報が届く。

死刑に処される罪人が、
彼を利用した作家に書いた言葉。

その言葉が作家に理解されるとき、
この作品が崇高な傑作に仕立て上げられるのである。




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by tsunagunpo | 2010-04-14 17:59 | こまいズム