快楽の本棚がある場所

津島佑子の「快楽の本棚」を読む。

小学校に通い始めて図書室を「発見」したときの喜び。

静寂、明るさ、広さ、大きな木のまるいテーブル、
すべてが心地よく、彼女は入り浸るようになった。

子どもには子どもなりの苦労がつきまとう。

その苦労を癒やしてくれる場所が図書室と保健室だという。

級友や教師との人間関係、勉強のこともなにもかも忘れて、
テーブルに頬をつけ、うたた寝をしているだけで幸せな気分になった。

彼女は本を開き、物語の世界に入ると幸せが増したのだ。

生とは、性とは、愛とは、死とは。

小学校から大学に至るまで、
「悩み多き私を支えてくれたのは本の世界」だったと彼女は綴る。

文学がなかったら、生きていることにどれだけ退屈し、
失望しなければならなかったか。

希望をはぐくむには、公立小中学校の図書室は貧弱すぎる。

市町村が図書購入費をけちっているからだ。

読書教育に力を入れようと国が交付税をどんと増やしたのに、
実際に予算化したのは必要額の4割にすぎない自治体もある。

首長は本を買うべき予算をほかに回して知らん顔をしているのか。

並んでいる本をほとんど読み尽くした図書室を津島佑子は忘れない。

自治体は、心に残る図書室をつくる努力を怠っているように思えてならない。

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by tsunagunpo | 2010-06-02 15:42 | こまいズム