パソコンの中の異界

マウスをクリックすると異界への扉が開く。

奥には火炎を吐く九尾の狐がいる。
古道具の化け物たちが行進していたり、
鬼女と化した「葵の上」が護摩壇の前に座っていたりする。

国際日本文化研究センターがネット上で、
怪異・妖怪画像データベース」の公開を始めた。

収めた妖怪の絵は計1826件だ。
絵巻物などから一つずつ抜き出した。

恐怖心が生む妖怪は文化を探る大きな装置である。

目が利かない暗闇や
訳の分からない現象への恐怖は、人を不安にさせる。

そこで不安の元に名前や形を与えて納得する。
そうして妖怪があちこちに出没した。

百鬼も幽霊も日本人の心の奥を映す鏡である。

しかし現代、妖怪は現れなくなった。
キツネに人が化かされることもなくなった。

パソコンの中の妖怪を迷信の産物と侮ってはいけない。

何かの気配を感じて背後を振り返る謙虚さが必要だ。

そこには悲しい目をした妖怪がいるに違いない。



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by tsunagunpo | 2010-06-28 22:26 | こまいズム