刻まれない明日

いつか忘れなくてはいけない、
大切な人。

三崎亜記の「刻まれない明日」は、
序章から始まる7つの短編で構成される物語だ。

3095人の人間が、忽然と消え去った場所。

「テロとも、自然災害とも、人為的な事故とも」いわれてはいるが、
その謎は10年たった今でも解明されていない。

「事件」が起こった場所は、
真相解明も進まぬうちに再開発が決定したが、
開発が途中で止まってしまったため、
便宜的に「開発保留地区」と呼ばれている。

「事件」が起こった街に、1人の女性が訪れる。

その女性、沙弓は、ただ1人の「消え残り」だった。

失われた町」の続編である。

沙弓を介して、緩やかにつながっている物語は、
どれもが静かに哀しく、けれど優しく心を揺する叙事詩だ。

哀しみのなかに、身をおいたままではいけない。
哀しみのなかで、自分の時を止めてしまってはいけない。

三崎亜記は読者にささやき続ける。

ゆっくりでいいから、できることからでいいから、立ち止まらずに、
あなたはあなたの道を歩んでいかなくてはいけないのだ、と。

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by tsunagunpo | 2010-08-10 11:34 | こまいズム