戦場でワルツを

何も見ていない。
全てを見たのだ。

アリ・フォルマンの「戦場でワルツを」は、
監督の実体験に基づいて製作された、
イスラエル・アニメーションの意欲作だ。

2006年のある夜、旧友に呼び出された映画監督のアリは、
26匹のどう猛な犬に追われる悪夢に悩む話を聞く。

それは自分たちが従軍した、
82年のレバノン侵攻の後遺症ではないかと疑う。

しかし自分に当時の記憶が全くないことに気付いたアリは、
その謎を解こうとかつての戦友たちを訪ねる旅に出る。

アニメーション・ドキュメンタリーという特異な手法を介し、
1980年代初めのレバノン戦争で自ら体験した、直視し難い、
ある出来事の記憶、その忘却をめぐる彷徨である。

戦争の記憶が、いかに主観によって修正され、
捏造されるのかを詩的かつ切実に問いかける。

重層化されたおぞましき悪夢の映像がつるべ打ちにされ、
真正な記憶を探求するという<パンドラの箱>を、
主人公は密やかに開けるのである。





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by tsunagunpo | 2010-10-05 12:39 | こまいズム