愛と憎しみの新宿 半径一キロの日本近代史

悪夢はノスタルジーと同居する。

平井玄の「愛と憎しみの新宿 半径一キロの日本近代史」は、
極私的な町の記憶と時代を超越した魂の叙事詩である。

60年代の新宿。

そこは伝説的なジャズ・バーや、
映画館などが集まる文化工場だった。

濁愛、陰謀、阿鼻叫喚が混淆し、
戦後日本の闇鍋を作った都市が新宿だ。

PIT INN、ナジャ、風月堂、紀伊国屋書店、蝎座、
ATG新宿文化 澁澤龍彦、赤ヘル、黒ヘル、埴谷雄高、
高橋和巳、フーテン、大島渚、若松孝二、坂本龍一、
山下洋輔、夏目漱石、中上健次、アラブの赤軍。

異形な場所に奇怪な人間たちがひしめきあい、
歌舞伎町や要通り、旭町や二丁目などなど、
喰い物や性を入力すると町はたちまち爆発的に膨張する。

平井玄は新宿に棲み、半世紀以上も町を注視してきた。

本書でしか知ることができない街の深層は、
今も毒々しい色彩の血を流している。

新宿という空虚な土地に塗り込められた呪詛を、
我々はため息をつきながら、やり過ごすしかないのである。




c0018195_0261598.jpg


つなぐNPO公式サイトへ


山本理事長ツイッターでつぶやいてます↓
ツイッターhttp://twilog.org/yamaiku
ツイッターのアカウントは yamaikuです
[PR]

by tsunagunpo | 2010-11-02 00:30 | こまいズム