夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

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村上春樹の「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」は、
1997年から2007年までのインタビューの集成である。

メディアの取材をほとんど受けない村上春樹のインタビューが、
1冊になったということだけでも大きな意味を持つ。

だがそれ以上に重要なのは、
本書に収められたインタビューが、
1995年以降のものだということだ。

それは阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起こった年であり、
アメリカで暮らしていた村上春樹が日本に帰ってきた年である。

それ以降の村上はルポ「アンダーグラウンド」を発表し、
短編集「神の子どもたちはみな踊る」を三人称で書き、
はっきりと以前の作風からの脱却を試みていった。

そして「スプートニクの恋人」や「海辺のカフカ」のような、
謎の多い神秘的な長編に取り組んでいく。

いわば過去の「村上春樹」色が、
それを境に大規模に変化していったのだ。

そんな変化と進化のあらましを、
本書によってクロニクルのように辿ることが可能となる。

思索を巡ることは村上春樹的なモチーフである、
脳内という地下に下り、何かを待つことに似ている。

ストイックに自律的に、自らに成長を課し続ける、
そんな村上春樹=作家の素顔が浮き彫りにされるのだ。


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by tsunagunpo | 2010-12-06 11:26 | こまいズム