ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う

男は、女のすべてを許し、救いたいと願った。

石井隆の「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」は、
男と女のどうしようもなさを描いたネオ・ノワールだ。

とある街でバーを営む美しい3人の母娘。

その末娘れんが、ある日『なんでも代行屋』を営む、
紅次郎の事務所を訪ねてくる。

父の散骨時に一緒にばらまいてしまった、
形見のロレックスを探して欲しい。

世捨て人のように生きて来た男は、
奇妙な依頼と思いつつも、放ってはおけず捜索を始める。

冒頭の母子3人によるあっけらかんとした殺害シーンと、
その後の浴室での死体処理の場面の、
残酷さとユーモアが同居した不気味さに圧倒される。

自分の娘程度の年齢のれんのつたない嘘を見抜いていた紅だが、
善良さと使命感、れんのなまめかしい肉体への興味が混じり合い、
どうすることも出来ずにずるずると事件に巻き込まれてゆく。

そして石井隆独特の尽きることのない冷たい雨が、
男と女の業、生きることの愚かしさを排除し画面を凌駕する。

夜の作家・石井隆は再び現代の東京を舞台に、
眠らない街、ネオンサイン、行き場をなくした男と女の孤独な魂を、
切なく謳い上げ、予め失われた儚い幸せの行方を巡るのである。





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by tsunagunpo | 2011-04-02 21:08 | こまいズム