切実なこと
ひどく唐突な感情だ。でも切実な感情だ。
涙はまだこぼれ続けている。
マリの手のひらに、落ちてくる涙を受けとめる。
落ちたばかりの涙は、血液のように温かい。
体内のぬくもりをまだ残している。
村上春樹の「アフターダーク」で主人公は泣く。
なぜ、村上春樹の小説では主人公は泣くのだろうか。
人間が泣く時は、ある「切実なこと」の反映なのだ。
深い悲しみと涙の原因には、自分のことだけでなく、
家族のこと、友人のことなどに不幸や不安がおとずれたり、
そのことによって自分の過去の記憶をはっきり思い出したりする。
これらはみな、その人間にとって「切実なこと」だ。
そして人は泣くことで、日ごろは忘れている、
自分の大切なものにハッと気がつくのである。
私は最近泣いていない。
泣きたいと思う感情はあるが、
それが身体の行為として発露しないのだ。
そういった意味では、
自分は「切実なこと」に敏感ではないのだろう。
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by tsunagunpo | 2011-06-14 12:29 | こまいズム