星を追う子ども

それは、さよならを言うための旅。

新海誠の「星を追う子ども」は、
監督オリジナル脚本のジョブナイルである。

ある日、父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄。

その唄を忘れられない少女アスナは、
地下世界アガルタから来たという少年シュンに出会う。

2人は心を通わせるも、少年は突然姿を消してしまう。

「もう一度あの人に会いたい」

そう願うアスナの前にシュンと瓜二つの少年シンと、
死んだ妻との再会を切望しアガルタを探す教師モリサキが現れる。

そこに開かれるアガルタへの扉。

3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る。

人が誰もが経験する「喪失」がテーマである。

そして、新海作品は一貫して、「心の距離」がテーマだ。

太陽系外にまで行ってしまった同級生の女の子と、
携帯メールでやりとりをする「ほしのこえ」。

新海作品の優しい主人公たちは、離ればなれになってしまった、
かつて心を共鳴させあった相手を想い続ける。

本作の主人公・アスナの初恋の相手・シュンは、
若くして死後の世界へと旅立った。

死という重い現実が2人の間を大きく隔てる。

それでもアスナは、もう一度シュンに逢いたいと願う。

アスナは地下に隠された黄泉の世界へと降りて行くのだ。

地底の黄金郷・アガルタに行けば、どんな願いも叶う。

死んだ人間にさえ、再会させてくれる。
心の中に巣食う喪失感さえ、埋め合わせてくれるらしい。

しかし、我々はそこで願うものは何なのか。

アガルタの開かれた扉は、実は密やかに閉じられていたのだろう。

人がこころから願うものは、決して叶えられない事実は、
観客である我々がいちばん理解していることなのだから。





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by TsunaguNPO | 2011-12-07 10:26 | こまいズム