監督失格

凄絶な愛と死の記録。

平野勝之の「監督失格」は、
200本以上のAV作品に出演しながらも、
2005年に34歳で急逝した女優・林由美香を題材とした、
魂のドキュメンタリーである。

林の元恋人でドキュメンタリー「由美香」も手がけた、
平野勝之が、林とかかわった約15年間にわたる記録と、
林の死後に新たに撮影した映像で構成されている。

打ちのめされるという言葉では足りない。

観る者さえも正気を失うセルフドキュメンタリーだ。

起きてしまった偶然はあまりにも劇的で、
生々しく残酷なビデオ映像の中で、なりふり構わず、
自己をさらけ出す表現者の喪失と苦悶の凄まじさは、
観客が安全地帯にとどまることを許さず、当事者へと変える。

林由美香に「監督失格だね」となじられた平野は、
過去にけりを付け、悲壮を反転させて、
自作を乗り越える闘いに挑む。

自己完結することなく観客に突き刺さる映像。

偶発的な映像による愛と悲しみの累積が、
フィクションには到達し得ない境地へいざなう。

どん底から這い上がる生の煌めきは、
生半可な死生観など粉々に破壊するのである。




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by TsunaguNPO | 2012-04-20 13:16 | こまいズム