希望の国

日本で生きることの覚悟。

園子温の「希望の国」は、
現在最大のタブーである原発と向き合った、
意欲作であり、魂の叙事詩である。

東日本大震災の記憶も薄れぬ頃、
長島県で酪農業を営む小野一家は再び大地震の悪夢に遭遇する。

近くの長島第一原発もどうやら事故を起こしたらしく、
警戒区域が指定されるが、小野家の庭にちょうど20kmの境界線が引かれる。

すんでのところで圏外になった母屋の中で、
妻が妊娠したばかりの息子夫婦と小野はともに苦悩することになる。

その目に見えないもの=放射能をいかにして可視化させるか。

放射能は目に見えない。
例えばどんなに強いメッセージを持った映画であろうと、
どんな素晴らしい未来へのビジョンが語られていようと、
映画は常に観客に可視化されたギミックを提示しなければならない。

放射能から生まれた怪獣「ゴジラ」は、
原爆・水爆という恐怖の総和を可視化したものであった。

園子温は放射能の可視化を「バリケード」という形に託した。

その境界線は善悪の狭間であり、世代の断絶である。

ラストシーン、頼りない若者のカップルが、
何もない雪野原を「一歩一歩、一歩一歩」と呟きながら進んでいく。

繰り返しのリズムは、
それでも生きなければいけない人生のメタファーだ。

頼りない歩みの先にある希望。

そんな彼らのおぼつかない足取りの中に日本の今がある。

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by tsunaguNPO | 2013-03-13 22:17 | こまいズム