カテゴリ:こまいズム( 259 )

地域通貨の試み

面白い試みである。

山形県高畠町で流通する地域通貨「ワン券」「ニャン券」や、
地元商店街で商品を購入すると付与される「ハッピーシール」で、
県・町民税など地方税や公共料金の支払いに使用できるようになった。

発行する高畠商業協同組合の要望などを受けて、
町で昨年2月から検討し、実施に踏み切った。

ワン券・ニャン券は86年に発行され、
流通残高は昨年9月で約700万円だ。

1円が1ワン・ニャンに相当し、商品券のように購入する。
ハッピーシールは85年に発行され、
同組合の加盟店で100円の買い物をするごとに1枚がもらえ、
350枚集めると500円分の商品券になる仕組みだ。

これまでの用途に加え、通貨価値はそのままで、
県・町民税や固定資産税、後期高齢者医療保険料、
水道料金や町営住宅の家賃の支払いなどに利用可能となった。

役場内のJA窓口でのみ手続き可能で、
お釣りはでないため、差額は現金で支払う必要がある。

購入もできる地域通貨が広範な公共料金に使える例は、
全国でも珍しい試みだろう。

定額給付金の交付に併せて、
地域振興券を発行する動きも広がっている。
山梨県では南アルプス市、甲斐市、韮崎市がそうだ。

地域振興には地域のアイデアが必要なのだ。

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マイコさんにマイクを向けられているのがこまいズム(笑)
市川三郷町の町勢要覧・町民参画事業にて


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by tsunagunpo | 2009-02-25 23:12 | こまいズム

「失われた町」

この思いを伝えたい。
たとえ明日、全てが失われても。

三崎亜記の「失われた町」は、
喪失を抱えて日常を生きる人々の悲しみを描いたファンタジーだ。

ただ単純な夢物語ではない。

世界は理不尽なものなのか。
だとしたら、人間だけはその理不尽さに抗うことが出来るのか。
読了後も静かな酩酊がずっと続くような恐ろしい小説だ。

デビュー作「となり町戦争」で公共事業としての“戦争”を描いた三崎は、
今回は町をまるごと消滅させることを手段として選ぶ。
共通しているのは、いずれも「理由はないが不可避」ということだ。

町の消滅とは何か。

およそ三十年に一度、何の前触れも、因果関係もなく、
一つの町の住民が忽然と姿を消すことである。

消滅した町の名は、新聞に載る数行の「公報」で人々は知るしかない。
それは戦争開戦の「お知らせ」が町の広報誌にだけ載ることと同義である。

この消滅現象に関わる唯一の行政機関である消滅管理局の人々と、
町に住んでいた家族や恋人を失った痛みを抑制しきれない人々の姿を、
三崎は丁寧な筆遣いで描いていく。それも甘く切なく。

この小説はSFであり、家族や恋人の喪失と再生の物語であり、
そして理不尽が横行する現実世界のメタファーなのである。

醒めた月に照らされる消滅した月ケ瀬町は、
財政破綻した夕張市になんと似ていることだろう。



失われた町
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by tsunagunpo | 2009-02-22 15:53 | こまいズム

「いのちの食べ方」

だれもが効率を追求した生産現場の恩恵を受けている。
だが、その現場を知っている人は本当に少ない。

ニコラウス・ゲイハルターの「いのちの食べ方」は、
食料の生産過程を追った異色のドキュメンタリーだ。

我々の「いのち」と切り離せない「食料」。
それはどこから来るのか。

野菜や果物だけでなく、
家畜や魚でさえも大規模な機械化で生産・管理され、
工業製品を作るかのように流れ作業で「商品」となる。

自分が子どもの頃、
「あじの開き」はあの形のまま、
海を泳いでいるものと信じていた。

機械的な屠殺と、
高度にシステム化された牛肉の生産過程は、
見てはいけないものを見てしまったような、
居心地の悪さにかられる。

改めていのちを「いただく」ことについて、
我々がどれだけ無知であったかが露呈されるのだ。

画面はフィックスが中心で、
意図的にシンメトリーにされた画面構成は、
まるで小津安二郎が撮影したかのようだ。

この無機質な映画の触感は、
大量生産され大量消費される、
我々の日々の「糧」そのものなのである。





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by TsunaguNPO | 2009-02-21 21:08 | こまいズム

歴史まちづくり法

再び、景観について書く。

古い町並みや建造物、そこで暮らし活動する人々の、
高山市のまちづくり計画が昨年11月施行された、
「歴史まちづくり法」第1号の認定を受けた。

同法の正式名称は、
「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」で、
文部科学省、農林水産省、国土交通省が制定した。

3省が歴史まちづくりを一緒に進めようと、
初めて足並みをそろえた、画期的なものだ。

歴史的町並みを保全するため古都保存法、文化財保護法、景観法、
都市計画法などがあるがどの法もまちづくり支援の視点に欠ける。

歴史まちづくり法は歴史的資産を活用した、
市町村や住民の取り組みを後押しする。

まちをみんなで守る気概や誇りを維持し、
向上させるのは容易でない。

快適な生活を求め、掃除や会合、しきたりを嫌う世代が出てきた。

歴史的風致は歴史と伝統を背負った人々の活動とその空間を指し、
世代間交流と外部の評価によって維持されてきた。

迷ったときは原点に返るのが一番だろう。

市町村のご担当者様、つなぐと組んで「まちづくり計画」を作りませんか?

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by TsunaguNPO | 2009-02-19 22:14 | こまいズム

「京都買います」

「買ってしまいたいんです。
仏像の美しさのわからない人たちから、京の都を」

円谷プロ制作の怪奇大作戦第25話「京都買います」は、
脚本・佐々木守、監督・実相寺昭雄による、
奇跡のように成立した、日本SFドラマ史上の最高傑作である。

京都の街で深夜、国宝級の仏像が消失する事件が連続して起こった。
しかも人が入った形跡がない。

SRI(科学捜査研究所)の牧は京都府警に協力し、消失した仏像が、
考古学の藤森教授により研究されたものばかりであることに注目する。

牧に問われた藤森教授は、消失の原因は知らないが仏像が消えたと聞いて、
残念だと思う一方でホッとしていると答える。

そして牧は藤森教授の助手で仏像に心を奪われた女・美弥子と出会う。

牧はSRIの助手さおり嬢に京都市内のディスコに連れられて、
あまりに京都とそぐわないその騒音に閉口するが、
そこに美弥子が現れる。

彼女は「京都の街を売ってください」という署名を集めていた。

このエピソードは脚本の佐々木守が芸術祭参加作品として執筆した、
様変わりする古都に幻滅した宇宙人が文化財を買い占めていく、
「あをによし・・」というシノプシスをヒントに作られた。

人間嫌いの男と女。
はからずも惹かれあい京の都を2人で散策するシーンは美しい。

互いに思いを寄せ合いながら、
しかし決定的にわかりあうことのできなかった牧と美弥子。

ラストで美弥子は仏像に変身し、その閉じられた瞳から涙が零れる。

現実に生きた人間への愛情と、
仏像への果てしない憧憬に揺れた美弥子の心情を、
見事に昇華させた忘れがたいシーンだ。

エンドロールでは京都タワーなどの風景がフラッシュバックされ、
日本人がいかに自国の文化をないがしろにしたかを糾弾する。

京都は今も開発という“怪奇”に蹂躪され続けている。

景観法が整う前でこのありさまだったのである。
日本の文化を守るには奇特な宇宙人が必要かもしれない。




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by TsunaguNPO | 2009-02-18 13:43 | こまいズム

「となり町戦争」を読む

告知は町の広報誌だった。

隣町との戦争開戦を伝える記事が小さく載る。
しかし町にはまったく動きはなく平穏そのものだ。

ただ毎月の広報誌に載る、増え続ける戦死者の数だけが、
実感はできないが「戦争」が確実に存在することを町民に伝える。

まるで区画整理を始めるように住民説明会を行い、
戦争業務全般をコンサルティング会社に委託する。

議会では補正予算を組み、
公共事業の一環として淡々と「戦争」を町役場は執行するのだ。

この小説はある種のファンタジーである。

だがこの作品は自治体の住民に対する情報提供、
施策告知の問題を鋭くついているのではないだろうか。

行政の取り組みや施策は住民にはブラックボックスだ。
ホームページや広報誌で取り組みは告知していると言う。

もちろん情報公開も請求さえ貰えれば対応しますとも言う。
しかし住民にほんとうに必要な情報は隠されたままではないのか。
それが戦争でさえも。

主人公の“僕”は町役場から「偵察業務従事者」に任命され、
戦争業務に住民参画(?)する羽目になる。

そして役場の戦争担当“香西さん”と偽装結婚し、
隣町に転居する。

何をすればいいのか判らない“僕”に、
「戦争の音を、光を、気配を感じてほしい」と“香西さん”は語りかける。

これは施策の盤上のコマにされてしまった、
無辜なる住民すべてに対する問いかけなのだ。

やがて戦争は終わり、主人公は再び日常生活を取り戻すだろう。

だが、曖昧な戦争という施策に従事したという記憶は、
密やかに主人公のこころに残るのである。

こんな住民参画は御免だと誰もが思う。

しかし、その住民参画という言い訳に、
使われてしまうのは無知な住民なのである。





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by TsunaguNPO | 2009-02-10 17:14 | こまいズム

飛騨の里のこと

飛騨高山の集落博物館「飛騨の里」は、
合掌造りをはじめ、飛騨の古い貴重な民家が移築復元され
懐かしい農山村の暮らしや飛騨に伝わる季節の行事を再現した。

飛騨民俗村・飛騨の里は、消滅から救われた、
合掌造りなどの古い家屋30軒以上と民具約8000点を収集・保存している。

特に惹かれたのは車輪の形に稲を植える、
「車田(くるまだ)」と呼ばれる田植えの手法だ。

日本で新潟県佐渡島と高山市松之木町にのみ現存している。

飛騨の里の車田は、松之木町に残るものを再現したものである。

高山の車田は7本の線を中心から伸ばし、
そこに1株3本の苗を5株ずつ植えていく。
すると7本のラインが、まるで車輪のように見える。

高山に残る1600年代の文献に、車田の記述があるが、
その起こりははっきりとはしていない。

特殊な植え方であることから、
神事に関した農作業の方法であると推測され、
伊勢神宮にお供えする米を作っていたという説もある。

昭和30年から40年代の高度成長期には、ダム建設や過疎により、
飛騨地方ではいくつもの村落が消滅の運命にあった。

飛騨の里は日本の故郷としてのノスタルジーなのだろうか。

そうではないだろう。

時代から取り残されてしまった過去の遺物を、
現代人に体験してもらい人の営みを肌で感じること。

これはまさしく「生きた博物館(Living Museum)」の理念なのである。

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by TsunaguNPO | 2009-02-06 12:40 | こまいズム

郡上八幡のこと

風景には音がある。

今までに訪れた場所で、
もう一度、ゆっくり歩いてみたい場所と言えば、
岐阜の郡上八幡である。

郡上八幡は長良川の上流に位置し、
奥美濃の山々から流れ出た吉田川、
小駄良川など三つの川が合流するところにある。

清流の文化は郡上八幡の貴重な遺産だ。

郡上八幡の水の文化を代表するのが、
「水舟」と呼ばれる循環システムである。

湧水や山水を引き込んだ二槽または三槽からなる水槽のうち、
最初の水槽が飲用や食べ物を洗うのに使われ、
次の水槽は汚れた食器などの洗浄に利用する。

洗い物で出たご飯つぶなどの食べ物の残りは、
そのまま下の池に流れて飼われている鯉や魚のエサとなり、
水は自然に浄化されて川に流れこむ仕組みとなっている。

郡上八幡の碁盤の目に切られた町割りに沿って、
縦横に流れる清冽な水を先人達は守り、それを伝えた。

ほんとうの豊かさとは何なのか。

郡上八幡は訪れたひとに気付きを与えてくれる。

そんな場所を発見していくのが「つなぐ」のミッションなのだ。

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by TsunaguNPO | 2009-02-05 10:51 | こまいズム

いい歳になったせいか、
人の悩みを聴く機会が増えてきた。

些細なこと、重大なこと、
悩みは多々あれど、本人にとっては、
立ち騒ぐ波に晒されているに違いない。

人は取り返しの付かないことに悔やむ。

潮の満引といっしょにこころが揺らいでいる。

凪がこころの小波を静めてくれるのを、
きっと今は待つしかないのだろう。


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by TsunaguNPO | 2009-02-04 18:11 | こまいズム