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「ゲド戦記」

世界は静謐な崩壊を猶予されている。

宮崎吾朗の「ゲド戦記」は、
アーシュラ・K・ル=グウィンによる、
世界的ファンタジー小説を原作にした大作アニメだ。

アースシーと呼ばれる世界で、
最も偉大な魔法使い「大賢人」と呼ばれているハイタカは、
世界に災いをもたらす源を探し出すために旅を続けていた。

そんな中、ハイタカは父親の国王を刺し、
国を出たばかりだというエンラッドの王子アレンと出会う。

ブリューゲル風の筆のタッチや、
東欧・アジアの象徴的表現を多用した美術は、
シンプルではあるが明確な監督の意志を感じさせる。

そして語られる「父親殺し」の物語。

宮崎駿という偉大な“王”との決別が、
ストーリーに意図的に組み入れられている様に驚く。

ドッペルゲンガーのように可視化する「自らの影」は、
足掻きながらも「まことの名」を手中に収めた、
宮崎吾朗の屈折と決意そのものなのである。



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by tsunagunpo | 2009-06-22 10:06 | こまいズム