図書館トイレ綺談
子どもの頃から図書館が好きだった。
不思議と本に囲まれていると落ち着くのだ。
書店のそれとは漫然と違う。
書店の様に商品として本が販売されているのでなく、
知の共有とも言うべき空間に惹かれるのかもしれない。
先日、ある公共の図書館のトイレに入ると、
水洗シンクの上に本が10冊ほど詰まれている。
その積まれている本がデニス・ルヘインの新作であったり、
赤瀬川源平のエッセイ、蓮実重彦の文学論など、
読みたいと思っていた、もしくは読んだ本ばかりだったから、
用を足すのも気がきではなかった。
まるでその本は自分を待ち受けているようにそこに在ったのだ。
きっと借りた人が用を足したのに安心(?)して、
そのまま忘れて帰ってしまったのか、
それとも、便座に座ってゆっくり読みたかったのか定かではない。
すでに貸し出された本なのか検索しようとも思ったがやめた。
(自分の名前で貸出の処理でもされていたらどうしようかと考えた)
職員や他の利用者が見つけて、
積まれていた本はしかるべき場所に納まる。
だが、この図書館でもうトイレに積まれていた本を、
自分が書棚から取り出すことはないだろう。
ふと感じたデジャヴゥが、その本には宿っている気がするのだ。
人気ブログランキングへ
ランキングに参加しています。上の二つのアイコンを
それぞれ一日一回だけ、図書館っと押してくださると・・・
by tsunagunpo | 2009-09-24 11:41 | こまいズム