あの季節の結晶を握り締めて
啓蟄が過ぎると、あの頃、と
不思議と優しい気持ちで思い出す時節になる。
それはまさしく季節だった。
巡ってきたのだ。
まるで必然であったかのように。
それがその時代の空気ではあったのかもしれない。
だが、もう祝祭は終わった。
しかし、残ったのは残滓ではない。
残されたのは結晶だ。
それは滅多に取り出すことはないけれど、
光を失う事なく今も輝き続けている。
そしてまた日常は始まる。
ポケットの中でころがるあの季節の結晶を握り締めて。
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by tsunagunpo | 2010-03-18 11:25 | こまいズム