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ファンタスティック Mr.Fox

野生を取り戻して、生きること。

ウェス・アンダーソンの「ファンタスティック Mr.Fox」は、
ロアルド・ダールの原作を人形アニメで描いた異色作だ。

キツネのMr.Foxは農家の主人が仕かけたワナにかかり、
妻のMrs.Foxと絶体絶命のピンチに陥る。

その時、Mr.Foxは明日の朝まで生き延びられたら、
泥棒ではないまっとうな仕事をすると誓う。

2年後、すっかり足を洗ったMr.Foxは、
妻と変わり者の息子アッシュと3人で穴暮らしをしていた。

しかし貧乏な穴暮らしに飽き飽きしていたMr.Foxは丘の上の家に引越し、
その向かいにある3つの農場での泥棒を計画する。

87分のチャーミングな掌篇である。

泥棒狐の物語だが、動物たちの物語ということではなく、
あくまでも人間社会を動物社会に置き換えて描かれた寓話だ。

「置き換え」というより「一体化」と言った方がいい。

「作り物」と「生身」の融合が、そこでは起こっている。

ペットを見るような親密さではない。

私たちがかつてそうであったものが不意に、
未来世界からこちらに向かって何かを語りかけてくるような、
そんな根源的でもある未来からの懐かしい呼びかけがある。

単なる狐が主人公の人形アニメだが、
そこには人類の誕生から未来までの、
果てしないスケールの時間が詰まっているのだ。





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by TsunaguNPO | 2011-11-04 16:44 | こまいズム